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【解説】インタビュー調査とは?(デプスインタビューとグループインタビュー)

更新日:2025.01.09
インタビュー

インタビュー調査は、消費者の意見や感情を深く理解するための強力な手法です。デプスインタビューとグループインタビューという2つの形式を通じて、対象者の本音や潜在的なニーズを引き出し、マーケティング戦略や商品開発に貴重なインサイトを提供します。

本コラムでは、インタビュー調査の概要をはじめ、デプスインタビューとグループインタビューそれぞれのメリットや留意点について解説していきます。

 

ぜひ参考にしてください。

​目次

1.インタビュー調査の概要
2.デプスインタビューの概要

3.グループインタビューの概要

4.デプスインタビューのメリット

5.デプスインタビューのデメリット

6.デプスインタビューのメリット

7.デプスインタビューのデメリット

8.まとめ

1.インタビュー調査の概要

インタビュー調査は、テーマに関してインタビュアーが個人またはグループに直接質問を行い、情報を収集、分析する手法です。これは定性調査のひとつであり、消費者心理や行動の理由、感情の変化など、数量では表現できない情報を把握するのに適しています。

また、インタビュー調査には主に2つの形式があります。
1つは「デプスインタビュー」で、これは1対1の形式で行われ、対象者の深い意見や感情を引き出すことが目的です。
もう1つは「グループインタビュー」で、4〜8名程度の少人数グループを対象に行い、参加者同士の意見交換を通じて多様な視点を収集します。

インタビュー調査は対面で行うことが一般的でしたが、近年ではオンラインで実施されることも増えています。この手法は、新製品開発やマーケティング戦略立案において重要な役割を果たし、消費者のリアルな声を反映させるために活用されています。

次章以降で、2つの形式について詳しく解説していきます。

2.デプスインタビューの概要

デプスインタビュー(深層面接法)とは、インタビュアーが対象者に対して1対1の対話形式で行う定性調査の代表的な手法のひとつです。グループインタビューなど大勢の前では話しにくいデリケートなテーマや複雑で込み入ったことを詳しく聞くことができ、対象者の行動背景にある理由、動機、思考パターン、価値観などを詳細に把握することが可能となります。

特徴

  • 個人の意見を深く掘り下げることが可能

  • 複雑な意思決定プロセスの解明に適している

  • デリケートな話題にも対応できる

  • 対象者自身も気づいていない潜在的なニーズや要望を引き出せる

3.グループインタビューの概要

グループインタビューは、4〜8人の複数の方に同時にインタビューを行う方式です。複数の参加者が一緒になって同じテーマに回答することで、参加者同士で議論が活発になり、新たなインサイトが浮かび上がることがあります。また、数多くのアイディアや意見を引き出すことを得意としています。

特徴

  • リラックスした雰囲気で意見を交わすことができるため、自然な発言が引き出されやすい

  • 他の参加者の発言によって思い出したり、新たな意見が生まれたりすることが期待される

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4.デプスインタビューのメリット

デプスインタビューは、消費者の深層心理や行動理由を理解するのに適した手法となっています。以下で主なメリットについて解説します。

また、次章のデプスインタビューのデメリットと合わせて理解しておくと良いでしょう。

  • 深い洞察の獲得

  • 行動の裏にある潜在的なニーズの発見

  • デリケートな話題への対応

4.1.深い洞察の獲得

デプスインタビューは、1対1で時間をかけてインタビューを行うため、対象者の本音や潜在的なニーズを引き出すことができます。また、グループインタビューでは時間的、内容的な制限によりヒアリングが難しい場合においても、複雑な意思決定プロセスや時系列の行動を詳細に聞くことが可能です。

4.2.行動の裏にある潜在的なニーズの発見

デプスインタビューでは、対象者の言葉や行動、またはその背景を深く掘り下げて聞くため、表面上の理由だけでなく、根底にある真の動機や欲求まで引き出すことが可能です。対話を通じて背景情報をヒアリングすることで、対象者自身も気づかない内面の思いや感情が顕在化することができ、新たな洞察や潜在的なニーズを明らかにすることができます。

4.3.デリケートな話題への対応

1対1の形式のため、グループインタビューでは扱うことが難しい、金融や疾病など話しにくいテーマも扱うことができます。また、他人の目を気にせず、率直に自分の意見や感情を表現することができます。

5.デプスインタビューのデメリット

デプスインタビューを活用するデメリットを解説します。
以下のデメリットを認識し、適切に対処することで、デプスインタビューの価値を最大限に引き出すことが重要です。

5.1.時間とコストの問題

デプスインタビューは1対1の形式で行われるため、多くの対象者から情報を収集するには膨大な時間がかかり、1日に実施できる人数に限りがあります。また、調査員の人件費や対象者への謝礼など、コストも高くなりがちです。

5.2.インタビュアーの力量への依存

デプスインタビューの調査結果は、インタビュアーのスキルに大きく左右されます。インタビュアーのスキル・力量によって、本来聞き出したかったことがヒアリングできないなど、満足できる調査結果が得られない場合もあります。対象者が自分の考えや感情をどれだけ開示するかについては、インタビュアーの質問の仕方、リアクション、対話を促す技術などに左右される可能性があります。

5.3.個人を深掘るため、市場全体を反映したものではない

個別の意見や体験を深掘りすることに重点を置くため、得られる結果が市場全体やより広い集団を反映しているとは限らない点に注意が必要です。対象者の深層心理や意見は個人差が大きく、一般的な傾向や統計的な代表性を捉えることには不向きです。

6.グループインタビューのメリット

グループインタビューは効果的なマーケティングリサーチ手法として広く活用されています。以下で主なメリットについて解説します。また、次章のグループインタビューのデメリットと合わせて理解しておくと良いでしょう。

6.1.多種多様な意見を集められる

グループインタビューでは、複数の参加者が同時に意見を交わすため、さまざまな視点やアイデアを収集できます。参加者同士の相互作用が、新たな意見や気づきを生むことが期待できます。

6.2.比較的時間やコストがかからない

一度に4〜8名程度の参加者を集めることで、デプスインタビューに比べて時間とコストを大幅に削減できます。短時間で多くの情報を得ることができるため、限られた予算やスケジュールでの調査に適しています。

6.3.言語以外の情報を得られる

グループインタビュー中に、参加者の表情や態度、身振り手振りなど、言葉以外の非言語的な情報も観察できるため、発言内容だけでは捉えきれない感情や本音を理解する手助けになります。

7.グループインタビューのデメリット

グループインタビューを活用するデメリットを解説します。
以下のデメリットを認識し、適切に対処することで、デプスインタビュー同様にグループインタビューの価値を最大限に引き出すことできます。

7.1.本音が引き出せない場合がある

グループインタビューでは、参加者が他の意見に影響されることがあります。特に、発言が多い参加者に圧倒されて、自分の意見を言えない人もいるため、本音を引き出すことが難しい場合があります。また、周囲への遠慮から意見が膨らまないこともあります。そこで、特定の人物ばかりが発言しているような場合には、口数の少ない人にもバランス良く話を振ったり、発言順を変えたりといった調整が必要です。

7.2.分析が困難

多くの意見が飛び交うため、重要な意見の見極めや整理に時間がかかることがあります。また、想定していたテーマから外れた話題で盛り上がってしまう可能性もあります。

7.3.デリケートな話題には向かない

グループインタビューは複数人で実施するため、金融や疾病などのデリケートな話題には向いていません。このようなテーマでは、調査対象者のプライバシーに配慮し安心して話せる環境を整えることが重要になります。

8. まとめ

インタビュー調査は、消費者の深層心理や行動を理解するための重要な手法です。デプスインタビューは個別の深い洞察を得るのに適しており、特にデリケートな話題や複雑な意思決定プロセスを探る際に有効です。一方、グループインタビューは多様な意見を効率的に収集でき、参加者同士の相互作用から新たなアイデアが生まれる可能性があります。れぞれには特有のデメリットも存在します(以下のまとめ表参照)。調査目的や対象に応じて、適切な手法を選択し、組み合わせることで、より豊かなインサイトを得ることができるでしょう。インタビュー調査を効果的に活用し、マーケティング戦略や商品開発に役立てましょう。

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